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スペランカー』 (Spelunker) は1983年に発売されたアクションゲーム迷宮の最下層を目指すサイドビューアクションゲーム

概要編集

スペランカーは、マイクロ・グラフィック・イメージ社のティム・マーティン(Tim Martin)によって製作された。1980年代前半に、欧米でAtari 8ビット・コンピュータコモドール64用のゲームとして発売され、人気を博した。とは言え、数字的にはそれほど大きくヒットしたわけではなかった。

日本では、ブローダーバンド社からライセンスを受けたアイレム(現アイレムソフトウェアエンジニアリング)が、1985年12月7日ファミリーコンピュータ用ソフトとして販売したところ、数十万本を売り上げる大ヒットを記録した。以降開発の主導はアイレムに移り、続編・リメイクがいくつか出されている。現在ではアイレムが、半ば自社の看板キャラクターとして扱っている。

タイトルの「スペランカー(英:spelunker)」は「無謀な洞窟探検者」を意味する単語である(一方、十分な知識や装備を持った上で洞窟探検を行う者は「ケイバー」と呼ばれる[1])。

オリジナル版のスペランカーの落下による死亡判定は、自分の身長の3倍ほどの高さを落下するとミスとなるという、いくぶんマイルドなものである。アイレムがファミコン版の移植に当たって「自分の身長の高さを落下しただけでミスとなる」(身長は16ドットであり、14ドットより大きい落下でミスとなる)などひ弱に改変したため(もちろんマップの段差などは全て再調整されている)、日本国内では「スペランカー」と言えばひ弱な人間の代名詞となり、アイレム自身も現在そのイメージを前面に出して宣伝している。

基本ルール 編集

ヘルメットをつけた洞窟探検家を操作し、エレベーター・トロッコ・ボートなどを乗り継いで洞窟最下層にある秘宝の山をめざす。

画面上部には時間経過で減るエネルギーゲージが設定されており、これがなくなると1ミスとなる。このゲージはブラスターを打つことでも減るが、アイテムを取ると回復できる。また、ある程度の高さを落下してもミスになる。他に、触るとミスになる障害物が多数ある。また、鍵を取得しないと開かない扉がある。

隠しアイテムとして、特定の場所でジャンプすることで出現する1up・得点2倍(一定時間)・無敵(一定時間。ただし段差からの落下やエネルギー切れには効果無し)・赤い薬(一定時間スピードとジャンプの飛距離がアップ)と、壁を爆弾で爆破することで現れるダイヤがある。

また、ミラクルと呼ばれるアイテムは、取ると何らかのアイテムが増える。ランダムではなく、内部的にフレーム毎で決まった変化をしている。

敵キャラは探検家を追跡するゴーストと、糞を落とす蝙蝠の2種。それぞれ、エネルギーゲージを消費して放つブラスターと呼ばれる銃の様な武器と、アイテムの取得で使用可能になるフラッシュで退治できる。

ファミコン版・MSX版・NES版では秘宝の山にたどり着くと開始地点まで戻り難易度が上がる。以降はこれを繰り返す。

歴史 編集

現在日本で「スペランカー」と言った場合、ファミコン版を指す。

Atari 8ビット・コンピュータ版 編集

Atari 2600用のゲームを開発していたGames By Apollo社が1982年末にアタリショックに巻き込まれて倒産した後、ティム・マーティンを中心とするメンバーが独立してマイクロ・グラフィック・イメージ社を設立。ティム・マーティンらは1983年のCESに自ら出向いてブローダーバンド社やCBSと言った大手パブリッシャーとデベロッパー契約を結び、独立の担保とした。1983年、独立後のゲーム第一弾として満を持して発売したのが元祖Spelunkerである。当時はゲームを一人の開発者の名前で売るのが流行であったため、スペランカーも製作の中心人物であったティム・マーティンの名前が前面に出されている。1977年発売の低性能なAtari 2600プラットホームではスペランカーのようなリッチなゲームが開発できなかったため、対応プラットホームをATARI 400やATARI 800などのAtari 8ビット・コンピュータ用として開発されたが、アタリショックの余波はATARI-8bitプラットホームにも影響し、新興の弱小企業であるマイクロ・グラフィック・イメージ社の製品を問屋が扱ってくれないと言う状況に陥る。マイクロ・グラフィック・イメージ社は資金繰りが悪化したため自社での販売を諦め、デベロッパーとして以前より顔を売っていたブローダーバンド社に全ての権利を委譲し、業務停止することになる。

ELEVATOR(エレベーター面)、ROPES(ロープ面)、FALLS(滝面)、PYRAMID(ピラミッド面)、TRESURE(財宝面)の5面構成である。各面のオープニングで「NOW ENTERING THE ROPES」などと表示され、得点の加算と1アップのボーナスがある。

コモドール64版 編集

1984年にはスペランカーはブローダーバンド社の名の下で販売されることとなり、ティム・マーティンを初めとするマイクロ・グラフィック・イメージ社のメンバーはブローダーバンド社の下請けとなり、当時のアメリカのトップハードとなったコモドール64版の移植も担当することになった。このコモドール64版がティム・マーティンが実際に関与した最後のスペランカーになるが、以降の版にも原作者として「by Tim Martin」の名が冠されている。Atari 8ビット版のオープニングテーマであったモデスト・ムソルグスキーの『展覧会の絵』に代わってティム・マーティン作曲のオリジナルのオープニングテーマが採用されており、このテーマ曲はファミコン版以降、四半世紀後のリメイクである『みんなでスペランカー』に至るまで踏襲されている。他はAtari 8bit版の完全移植に近い。この版が日本を除く世界各国で最も普及したスペランカーであり、アメリカのみならずブローダーバンド社が販路を持つ世界各国でも販売され、好評を受けた。

「ZZAP!64」(イギリスのゲーム雑誌)1985年6月号のレビューでも79点とかなりの高評価を得ており、各レビュアーに絶賛された[2]。旧世代機であるAtari 8-bit用ゲームの移植であり、ファミコン版以降とは違ってゲーム中のBGMも無いため、同時代のゲームと比べて音楽とグラフィックのしょぼさを酷評され、「主人公が肥満体」「こうもりの鳴き声がうるさい」など細かい注文が付けられたものの、洞窟の広大さとゲームの中毒性によって「それらを相殺する感触がある」と評され、「何度死んでもジョイスティックを置けない不可解な魅力がある」とまとめられている。

ファミリーコンピュータ版 編集

1985年に日本のゲーム会社アイレムがブローダーバンドよりライセンスを取得し、当時日本でトップハードであったファミリーコンピュータ用ソフトとして移植、販売した。コモドール64版をほぼ踏襲しているが、オリジナルとはキャラクターのグラフィックや色が異なっている(肥満体であったスペランカーも痩せ気味に改変されている)、ゲーム中に流れるBGMが追加されている、クリアした後に2週目以降がある、などの違いがある。5面構成の各面の区切りは赤い扉で代用されており、これを鍵で開くことで得点の加算と1アップが行われる。また、ジャンプボタンのタイミングや落下の耐久性などの操作性がシビアになっており、より難易度が上がっている。日本で大ヒットし、ティム・マーティンはアイレムからのライセンス料によってマイクロ・グラフィック・イメージ社の負債を返済することができた。

アイレムによるこの版が日本で長く愛されることになった要因として、自分の身長の高さを落下しただけでミスとなるシビアな難易度と2週目以降の存在が挙げられる。クリア周回を重ねるとクリアに必要なアイテムが見えなくなるなど、2周目から6周目にかけて元々高い難易度がさらに上昇するため、どこまで続けられるかというやり込み要素につながることとなった。6周目以降は、6周目と同じ内容となるため、精神力・集中力との勝負となる。そして、256周目は1周目とほぼ同じだがカギが表示されず、257周目は1周目と全く同じになる。

スクーンなど当時のアイレム発売の他のファミリーコンピュータ用カートリッジと同様、前部に取り付けられた赤い発光ダイオードで電源のオン/オフが確認できる。また少数だが、再版と思しき発光ダイオードの無いカートリッジも存在する。

2007年8月28日からWiiバーチャルコンソールで配信されている。

アーケード版 編集

1985年にアイレムが開発、発売。「by Tim Martin」の名が冠されてはいるが大幅なアレンジが施されており、全く別のゲームとなっている。

残機制ではなくバイタリティ制を採用、段差からの転落やガスなどの障害物への接触でもダメージは受けるがすぐ死ぬことはない。バイタリティが充分に残っていれば、身長の20倍以上の高さから落下しても平気であり、難易度はファミリーコンピュータ版より低い。しかし、何もしなくても時間の経過でバイタリティが少しずつ減っていくために、回復アイテムを取りながら進む必要がある。パワーアップアイテムを取りすぎるとスピードアップしすぎてかえって死にやすくなる傾向にある。エネルギーガンによる攻撃は、持続式から単発式に変更されている。

ステージ進行については、前述の内容と同様に洞窟の深層部を目指し、財宝を探し当てることが目的。画面右上には、どこまで潜っているかを示す深度計がメートル単位で表示されている(約7000メートル近くまである)。途中、高得点アイテムのある財宝が安置されている大扉がいくつかあり、それぞれがステージ中間を兼ねている。ステージ中にあるギミックを作動させることで、床が消えたりロープが出現したりする。

なお、深層部の大扉を開けると別の洞窟への入り口が開かれ、再び0メートルから開始するループとなる。

MSX版 編集

1986年にアイレムからリリースされた。ゲーム内容的にはファミコン版と同様であるが、ハードの性能のためスムーズなスクロールができないなど操作性が劣る。

2009年4月28日よりプロジェクトEGGにて販売されている。

NES版 編集

ファミコン版スペランカーが1987年にNES版としてアメリカに再上陸した。1987年の時点では既にリッチとは言えないゲーム内容になっていたことと、パソコンゲームを主な事業とするブローダーバンド社がNES用ゲームのマーケティングに不得手であったこともあって、ヒットしたとは言いがたい。

続編 編集

アーケード、ファミリーコンピュータ共に続編があるが、ゲームシステムは両者で全く別物である。また、『みんなでスペランカー』以降の作品は後世のレトロゲーム人気の高まりを受けて開発された物で、直接的な続編では無い。全てアイレムが開発、販売している。

『スペランカーII 23の鍵』 編集

アーケード版スペランカーの続編として1986年に発売された。前作を踏襲したゲームシステムで、地底のプリンセスを目指して最下層まで進むアクションゲームである。水に潜ったり、スケートボードに乗ったりできる。仕掛けも、氷の床と壁などが登場している。

『スペランカー2 勇者への挑戦』 編集

ファミリーコンピュータ版スペランカーの続編として1987年に発売された。RPG要素がある。探検家・エスパー・聖職者の3人のうち誰かを操作し謎を解いていくという内容でヒットポイントや魔法(のようなもの)が存在する。

『みんなでスペランカー』 編集

PS3ダウンロード専用ソフト『みんなでスペランカー』が2009年3月26日から配信開始、キャッチフレーズは「みんなでいこう!愉快な洞窟探検!」である。多人数プレイが可能。グラフィックは近代的なものに変わっているが、ファミコン準拠のクラシックモードも用意されている。スペランカー発売25周年を記念して、ステージ数はオリジナルの25倍である100ステージが用意されており、ファミコン版のプレイヤーが驚くほど巨大な敵キャラや罠など新しい要素が追加されている。特にクラシックモードは音楽、グラフィックなどファミコン版の雰囲気そのままで楽しむことができ、多人数で協力しながらプレイできるように十分な配慮がされている。

『みんなでスペランカー ブラック』 編集

PS3ダウンロード専用ソフト『みんなでスペランカー』の続編として2010年1月から配信開始。スペランカーの周囲が真っ暗になるなど、よりスペランキングを楽しめる仕様になっている。

日本での評価 編集

最弱の主人公 編集

アイレムによる本作の移植版は、プレイヤーキャラクターが非常に死にやすい。ゲーム開始直後のゴンドラからの落下、自分の身長ほどの浅い穴に落下、コウモリのフンに接触、少々勾配のある下り坂で前方にジャンプ、爆弾の爆発、自分の出したフラッシュに接触、赤い薬を飲んで自身の速度が上がり制御しきれない場合、などでミスとなる。 特に坂からジャンプしてミスとなるように落下判定はシビアで[3]、本作のプレイヤーキャラクターはアクションゲーム史上「最弱の主人公」「最も足腰が弱い主人公」と言われているが[4]、これら「転落死」は着地した時にダメージ判定が発生するのではなく、特定のドット数を下降した瞬間に判定される。すなわち「空中でも死亡する」ため、このニュアンスは正確に言うと間違いと言えるだろう。

アクションゲームなのに、ろくなアクションができず、即座に理不尽な死に方をする脆弱な主人公に呆れ、クソゲーバカゲー扱いする人は多い。 ”自分の身長を超える高さから落下すると、その着地衝撃に耐えきれずに死亡する”という冒険家とは思えない主人公の虚弱体質は、当時リアルタイムでプレイした人達に強い印象を残した為、発売から二十年以上経過した今日も「スペランカー」という名前は、苦笑いと共に根強く残る事になった。

また、そのあまりのひ弱さから、故障がちのスポーツ選手の代名詞となることがある。その場合、略して「スペ」とも呼ばれ、「スペる」で故障する、と言う意味にも使われる。

後世の再評価 編集

アピエスからゲーム事業を引き継いだ、ファミコン版を発売したアイレムの後身となるアイレムソフトウェアエンジニアリングのウェブサイトでは『スペランカー先生』として主人公のひ弱さをネタにした4コマ漫画が掲載され、『電撃「マ)王』でも専用のコーナーを持った。また、アイレム公式のエイプリルフール用サイトでも何度もネタにされ、ネットの話題となった。これは『スペランカー』のゲームそのものの人気の一助となり、バーチャルコンソール配信では一時的にだが、『スーパーマリオブラザーズ』を抑えてダウンロードランク1位になった。

なお、この「主人公が弱い」というインパクトからか、ファミ通の1000号における「読者が選ぶ未来に伝えたいゲーム」というアンケートでは投票総数1万を越える中から『ドラゴンクエストVI 幻の大地』や『MOTHER3』といったビッグタイトルを抑え30票で54位と高い順位になった。理由としては「進めるようになると自信が付く」「我慢強くなる」などかなり前向きな意見が多かった。

このようなスペランカー熱の高まりを受け、2009年には四半世紀ぶりの続編『みんなでスペランカー』が発売されるに至った。

2008年11月16日の「トロ・ステーション」24時間マラソンではPS3版プロモーションも兼ねて、主人公はゲスト出演し、トロとクロと競演した。その際に、主人公はクロにそそのかされたトロに軽く叩かれただけで昇天してしまっている(一応すぐに復活している)。このときにクロからは「昔と変わっていない」と喜ばれると同時に「とーっても弱い」と紹介された。

原作者の評価 編集

日本での評価を知ってか知らずか、原作者のティム・マーティンは2010年現在も本作品に大きな自信を持っており、ブローダーバンド社からの独立後もAmiga用ソフトウェア事業やインターネットプロバイダ事業など数々のスペランキングを成し遂げて来た自身をspelunkerguyと称している。

アンソロジーコミック 編集

ジャイブ刊『月刊コミックラッシュ2009年10月号より2010年3月号まで「スペランカー アンソロジーコミック」が毎号、異なる作家の連作形式で連載されていた。 追加原稿を収録の上、単行本化。2010年2月6日発売。

スペランカー先生 フラッシュアニメDVD 編集

上述のアイレムの4コマ漫画「スペランカー先生」を原作としたFLASHムービーアニメ。2011年3月16日発売予定。

スタッフ 編集

  • 監督:芦名みのる
  • 作画監督:たけはらみのる
  • 音楽:ミッキー三木
  • 作画:小笠原心平、他
  • 音楽:ミッキー三木
  • 制作プロデューサー:服部健太郎
  • アニメーション制作:スタジオぷYUKAI
  • 制作協力:株式会社メディクリエ
  • 制作プロダクション:合同会社indeprox

キャスト 編集

脚注 編集

  1. 日本洞窟学会参照。
  2. 「ZZAP!64」によるSpelunkerのレビュー
  3. わずか数ドットの落下で死亡し、その高さはキャラクターの膝の高さと同等とよく言われる。ただし、これは誤解で、実際には膝の高さではなく身長程度の高さでないと死亡しない。 つまり、16ドットの身長に対して14ドットまでの落下には耐える[1]。ゲーム序盤での段差越えがそう誤解させる理由のひとつである。
  4. バーチャルコンソール

関連項目 編集

外部リンク編集


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